わたしの心理学遍歴

2023年01月15日

現在65歳のわたしにとって心理学を学ぶことは宿命だったように思えます。なぜそうなのか。わたしの心理学の遍歴を書いてみました。

2歳の記憶

築山のようなところで同じ年ごろの子どもたちと一緒にいました。彼らは動作と内面が一致しているように見えました。でもなぜか自分は一致していない。そのことがとても苦しかった記憶があります。

小学2年生

当時わたしは自分の癇癪に悩んでいました。学校の帰りに近道して山の中を歩いていたとき、ふと気づいたのです。「学校は何でも教えてくれるところと期待していたのに、心の中のことは何も教えてくれない。」失望していました。自分で考えるしかないのか、と。

小学5年生

わたしの父は高校の事務員でしたが、用もないのに寄り付く生徒たちがいました。そんな中、校長からカウンセリングを頼まれたといって父は勉強を始めました。1960年代後半のころです。その時の父の言葉。「言って聞かせて変わるのではなく、聞いてもらえると変われるんだ。」この言葉に衝撃を受けました。

青年期

仲の良い友達と話すのが好きでした。できるだけ「聞くこと」に徹しようと思っていました。でも話すのも好きで、友達が心を動かされた様子を見ると、気持ちが通じたような気がして嬉しかったです。

神学校時代

牧師になるための勉強をしていました。そこで初めてロジャーズの来談者中心療法を学びました。「無条件の肯定的配慮」、「共感的理解」などはすでに知っていましたが、「自己一致」は難しいと思いました。

牧師になって

ルーテル神学校で一般向けに開講していたカウンセリングの講座に参加しました。また筑波大学の心理学教授、内須川洸先生より「交流分析」(TA)のことを教えていただき、勉強を始めました。そこから以下のような心理療法の学びが始まりました。順に紹介します。

交流分析(TA)
チーム医療の研修に参加するようになり、杉田峰康先生から教えを受けました。

リアリティーセラーピー
柿谷正期先生の講演会を開催したのがきっかけで先生の主催する講座に参加し学び始めました。

精神分析

松井紀和先生のケースカンファレンスに参加。また同先生より約1年にわたって教育分析を受けました。

サイコシンセシス
国谷晴朗先生より、最初は行動分析、やがてサイコシンセシスを学びました。ロロ・メイやヴィクトル・フランクルに傾倒し、彼らのを読み漁ったのもこの頃です。

脱カルト・カウンセリング
統一協会をはじめとするカルト被害者の救済のために働いていました。

留学

サンフランシスコ神学校に入学しDoctor of Ministory (宣教学博士)の学位を取得。
米国、バークリーのリッチ・バーン神父のマインドフルネストレーニング講座に参加し、また同神父のスピリチュアル・ディレクションを受けました。
帰国後、長崎のクラークスン神父よりイグナチオの『霊操』をベースに霊的指導を受けました。
アントニー・デ・メロの指導書を元に毎日の瞑想を開始しました。

非暴力トレーニング
櫻井淳司牧師より非暴力トレーニングを学ぶ会を主催し、さらに米国から来日したチャック・エッサーとの出会いから、子どもへのセラピー(プレイセラピー)に興味を持ちました。

幼稚園園長時代

幼稚園園長の職務の中で、米国でホールディングセラピーの問題点を改良して阿部秀雄が完成させた「抱っこ法」を学び、そこから派生して Theraplay のトレーニングを受けました。
発達障害児の教育の必要から「特別支援教育士」(S・E・N・S)の資格取得講座を受け30ポイント取得しましたが、最後の指導実習(6ポイント)は受けず、資格は取得していません。しかしここで行動分析について深く学ぶことができました。

カリフォルニア臨床心理大学院   日本校(CSPP)

臨床心理の修士課程を修了しました。
ここで学ぶ中で、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)に出会い、これまでのすべて学びが、ここに収斂しているのを見出しました。

ACT心理相談室開業

現在に至っています。毎日の学びが楽しい反面、弱っている人々を助けられないでいることがとても悲しい、そんな毎日です。